重度な要介護状態となっても、
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを、
人生の最期まで続けることができるよう、
医療・介護・予防・住まい・生活支援が
包括的に確保される体制
それが、「地域包括ケアシステム」
地域包括ケアシステムの捉え方
- 地域包括ケアシステムの5つの構成要素(住まい・医療・介護・介護予防・生活支援)をより詳しく、また、これらの要素が、互いに連携しながら有機的な関係を担っていることを図示したものです。
- 地域における生活の基盤となる「住まい」「介護予防」「生活支援」を、それぞれ、植木鉢、土と捉え、専門的なサービスである「医療」「介護」を植物と捉えています。
- 植木鉢・土のないところに植物を植えても育たないのと同様に、地域包括ケアシステムでは、高齢者のプライバシーと尊厳が十分に守られた「住まい」が提供され、その住まいにおいて安定した日常生活を送るための「介護予防」「生活支援」があることが基本的な要素となります。そのような養分を含んだ土があればこそ、初めて、専門職による「医療・看護」「介護・リハビリテーション」「保健・福祉」が効果的な役目を果たすものと考えられます。
「静岡型」とは
◆静岡型地域包括ケアシステム
本市では、他の自治体に比べて元気な高齢者が多く、かつ、多職種連携や盛んな地域活動による「つながる力(地域力)」が強いといった特徴(静岡らしさ)を活かした「静岡型地域包括ケアシステム」の構築を目指しています。
これは、「富士山型」の施策体系のうち、「山頂」「山腹」に位置付けられるものです。
今後は、健康寿命延伸により地域の担い手を増やすとともに、医療・介護の専門職を育成することなど、人づくりを一層推進していきます。また、小圏域単位での「つながる力」を活用し、よりきめの細かい顔の見える対応を進めていきます。
盛んな地域活動
本市は、地域活動が盛んであり「つながる力」(地域力)が高いことが挙げられます。それは、地域のボランティア等により運営されている「S型デイサービス」や、自主グループ等により運営されている静岡市版介護予防体操「しぞ~かでん伝体操」といった取組に表れており、これらの「静岡らしい」全国に誇れる取組は、「第5回健康寿命をのばそう!アワード(平成28年)」で厚生労働大臣賞を受賞しています。
元気な高齢者の活躍
本市は、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」の長さが政令指定都市の中で第2位であり、元気な高齢者が多く、健康長寿を誇れる都市となっています。
※ 健康寿命:健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間
多職種連携
小圏域(小学校区程度)での取組
本市は、高齢者が医療や介護が必要となっても、住み慣れた自宅でずっと最期まで自分らしく暮らせるようにするため、平成28年度から市独自に、全国的に定める圏域よりも小さな圏域(小学校区程度)において医療・介護専門職の連携体制を構築する事業に着手し、現在その対象区域のさらなる拡大に取り組んでいます。
また、本市が平成29年度に実施した「在宅医療の提供と連携に関する実態調査」では、「うまくいっている」と「まあまあうまくいっている」を合わせた回答が、全体として1,279件のうち723件(56.5%)、「あまりうまくいっていない」と「うまくいっていない」を合わせた回答が235件(18.4%)となっています。